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東京都の敷金清算に関する条例で考える それでもあなたは賃貸住宅派?
昨年10月に施行された東京都の「賃貸住宅紛争防止条例」をご存知でしょうか。賃貸住宅退去時の敷金返還に関するトラブルの多さに業を煮やした東京都が、宅建業者に、「原状回復における通常損耗分の費用負担は貸主にあること」を契約の時に入居者に対してきちっと説明しなさい! そしてもし原状回復に関して他に特約を結ぶならば、それもちゃんと説明しなさい! と義務付けたものです。 たとえば、家具による畳のくぼみや冷蔵庫の後ろの壁の黒ずみ(電気ヤケ)などは普通に住宅を使っていれば起きてしまう現象なので、その原状回復費は貸主の負担であることをまず説明しなければなりません。その上でもしこれを入居者に負担させる特約がある場合は、「本来は貸主負担ですが、この契約では借主に負担してもらいます」と説明しなければならないということです。 この条例、本当に敷金トラブル減少に効力を発揮したかについては、最初の更新時期である2年後以降を待たないとわかりませんが、少なくとも現在の賃貸住宅業界で大きな波紋を広げていることには違いありません。昨年10月の施行前から、賃貸管理会社やアパート建設会社主催のオーナー向け勉強会が各地で頻繁に行われています。そこから漏れ伝えられるのはアパート、マンションオーナーのため息交じりの声です。
あるアパートオーナーの言い分はこうです。 一方、ユーザー側からも今回の条例に関してはこんな声も聞かれます。 立場が変われば考え方は当然変わるもの。どちらにしても、今回の条例だけではまだ根本的な問題解決にはなっていないような気がします。 次はそのことについてお話しましょう!
賃貸住宅における敷金の主な目的は以下の2つです。 どちらも別途請求してなかなか払ってもらえない場合を考えると、最初に払ってもらったお金から充当した方が確実に徴収できるので、家主にとって都合がいいわけです。 しかし、この敷金の制度こそがトラブルを大きくしている問題といってもいいかもしれません。ユーザーにとってみれば、敷金はあくまで預けているお金。家賃滞納など自分に非がある場合は相殺されても仕方がないが、原状回復費を勝手に引いて返すというのはいまひとつ納得がいきません。一方、オーナーとしては、いくら預かったお金といっても一旦懐に入ると返したくなくなるのが人情。返還する金額を少しでも少なくしようという心理が働くかもしれません。 その上、原状回復というのがまた非常に不明瞭な概念です。家主にしてみれば、「部屋を貸すときには新品のようにきれいにして貸しているのだから、退去するときは同じようにきれいにするための費用を払ってね」と思うのですが、ユーザーにしてみれば、「商品を良くして貸すのは家主の務め。なぜそれをユーザーが負担しなければならないのか」と思います。 どちらの考え方が正しいかは別として、この問題を解決するには、今の賃貸住宅の契約制度を根本的に変える必要があるのかもしれませんね。では、賃貸住宅のひとつの形態であるウィークリーマンションではこの問題にどう対応しているのでしょうか。実はウィークリーマンションには敷金がないのです! ウィークリーマンションに敷金が必要ないのはなぜ? ウィークリーマンションには敷金というものがありません。賃貸住宅における敷金の目的に則して言えば、まず、家賃滞納時の担保という点で言うと、ウィークリーマンションは基本的に家賃前納制ですので担保をとる必要がないのです。ただ、月極め制にしている場合などは敷金を徴収する事業者もあります。 次に原状回復費の担保という点では、退去時に清算する必要がないので担保を取る必要がありません。そしてここが最も賃貸住宅の契約制度と大きく異なるところなのですが、原状回復費は「クリーニング料金」として契約時に定額(金額は事業者や入居期間によって異なります)を徴収します。 もちろん、入居者の過失によって壊れた備品の修理代や、通常のクリーニングでは取れない汚れなどは別途請求しますが、それはレアケースです。ポイントは、ウィークリーマンションでは、明細のはっきりした金額を、契約の最初に徴収するということではないでしょうか。これならば、後になってトラブルになるということはありえません。 敷金制度と不明瞭な原状回復費のある賃貸住宅と、敷金がなく原状回復費も明瞭なウィークリーマンション。どうです? いままで賃貸派だったあなたも、選択の幅を広げてみてはいかがでしょうか。
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