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東京都の敷金清算条例化で考える

ウィークリーが賃貸の常識に?

2004/04/20

ご存知の方も多いかもしれませんが、今年2月、東京都は賃貸住宅の退 去時の原状回復(敷金清算)に関して、貸し手と借り手の費用負担に関する「東京ルール」を策定し、「賃貸借契約時にそのルール及び実際の契約における費用負担の詳細を借り手に説明する」ことを不動産業者に義務付ける新条例を都議会に提出しました。
この背景には、敷金清算に関する借り手と不動産業者との間のトラブルが年々増え続けているという現状があり、それに対して行政が腰を上げたと言うことができます。

All About Japan「家を借りる」のガイド加藤氏の記事「ついに敷金清算を条例化へ」でもこのニュースは詳しく取り上げられていますが、もしこの条例が施行されると、借り手側はこれから借りようとする賃貸住宅の原状回復費の負担について、正しい認識と判断を得ることができます。
つまり、もしその契約が「東京都が推奨するルール」に沿ったものだとわかれば、納得して家を借りることができるでしょう。しかしもしその契約が「東京都が推奨するルール」よりも借主側に不利な費用負担であることがわかれば、契約をしないという判断ができるわけです。

借り手市場といわれる現在では、借り手に不利な契約とわかっていながら、どうしても契約しなければならないような状況はあまりないと思われます。従って、この条例が施行されれば、原状回復に関するトラブルが減るばかりか、借り手に不利な内容の契約も減っていくのではないでしょうか。そういう意味でもこの条例化の動きは、借り手側にとって画期的なものと言えるかもしれません。

しかしながらこの話題を通して思うことは、賃貸住宅における原状回復費の負担の問題は、行政による規制を受けなければ改善が見込めないほどに根の深い問題であるということです。
なぜ、賃貸住宅ではトラブルが頻出するほど借り手側に不利な原状回復費負担の契約が存在するのでしょう?それは、礼金や更新料などと同様に、かつて長いこと貸し手市場であった賃貸市場において培われた、貸主有利の悪しき慣習が、現在にも脈々と受け継がれていることにほかなりません。


では、賃貸住宅から派生したウィークリーマンションやマンスリーマンションにお ける原状回復費はどうなっているのでしょう?
それはきわめて明朗会計といえます。








まず、ウィークリーマンションでは通常、敷金の徴収がありませんので、敷金清算という概念自体がありません()。
原状回復費としては、ルームクリーニング代という名目で約2万円前後(物件の広さで変動)の決まった金額を契約時に徴収する形式が一般的です。さらに言えば、礼金もウィークリーマンションでは必要ありません。
※一部の事業者では、契約形態によって保証金が必要な場合があります。

ではなぜ、ウィークリーマンションやマンスリーマンションはそのような料金体系で運営しているのでしょうか?というよりも、なぜ、賃貸住宅の悪しき慣習を受け継がなかったのでしょうか?と言ったほうがいいかもしれませんね。そりゃ商売としてやるからには、少しでも儲かる方がいいに決まっていますから。

実はその答えは、ウィークリーマンションやマンスリーマンションの誕生の過程の中に見つけることができます。ウィークリーマンションやマンスリーマンションとは、新しい需要者をターゲットにして誕生した住宅形態です。新しい需要者とは、ビジネスなどで1週間から数ヶ月間ホテルを利用する人たちのことです。
ウィークリーマンションやマンスリーマンションには、ホテルに比べて賃料が安く、炊事ができて居住空間も広い、という大きなセールスポイントがあります。ですがもし、賃貸住宅と同様の、不明瞭な原状回復費や礼金の制度をそのまま採用したらどうでしょう。ホテル利用者はそれでもウィークリーマンションを受け入れてくれるでしょうか?世界中どこを探したって、チェックアウトするときに部屋のクロスの張替え料を請求するようなホテルはありませんよね。ということは受け入れられるはずがありません。
つまり、ウィークリーマンションやマンスリーマンションは、新しい需要を開拓するために借り手側に受け入れられる商品開発を行った結果、賃貸住宅が抱える悪しき慣習から脱却することができたということなのです。

さて、このような背景で誕生し、ビジネスユースとして広く認知されてきたウィークリーマンションやマンスリーマンションですが、よくよく考えてみると、これらは最低契約期間が1週間や1ヶ月なだけであって、1年とか2年の長期間でも、暮らそうと思えばその期間の契約を交わして住み続けることができます。しかも礼金や不明瞭な原状回復費は必要ありません。また、借りられる部屋は一般の賃貸住宅となんら変わりありません。さらに、家具や備品は最初から付いているのです。

そんなことを考えていると、本来は賃貸住宅から派生したウィークリーマンションが、逆に本家の賃貸住宅に取って代わる日も遠くないように思えてしまうのですが、皆さんはどう思いますか?

All Aboutより転載
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